日本語

藤井 康裕

これまで、「光」を主な実験の手段としてソフトマター(生物や液体、ゲルなど)からハードマター(結晶)までを対象として研究活動を行ってきました。それ故、研究領域としては誘電体、化学物理、生物物理などいくつかの分野を行き来しています。

最近では特に、ラマン分光による機能性物質の評価に力を入れています。物質に光を入射すると、試料の分子振動や格子振動による電子分極率の揺らぎに起因して、入射光とは異なる周波数をもつ散乱光が発生します。そのスペクトルを解析することによって、分子種の特定や格子振動の解析を行なうのがラマン分光法です。その中でも我々は、角度分解偏光ラマン分光という測定手段を用いて、強誘電体や圧電体といった物質を対象とした研究を行なっています。この方法では、結晶試料中の特定の1点に注目して格子振動の対称性等を精度良く測定することが出来る為、局所不均一性をもつ試料等の評価に有効です。今後は特に、低振動数領域のダイナミクスについて研究を進めたいと考えています。

更新日 : 2022.06.25