私は、少し工学部っぽいのですが、せっかくやるなら自分の研究が少しでも社会に役立つようにと思い、特に資源枯渇・環境破壊の問題の解決に貢献することを意識して、光物性物理学や電気化学、結晶工学などの分野で研究を行っています。具体的には、水銀を使った従来の蛍光灯に置き換わる次世代の照明に使われる発光材料や、現在主流となっているシリコン太陽電池と肩を並べられる新しい太陽電池材料、太陽光エネルギーを使って代替クリーンエネルギーである水素を製造することができる水分解光触媒材料などのエネルギー変換材料の研究・開発に取り組んでいます。また、最近は核医学画像撮影に利用される放射線検出材料の研究にも力を入れています。さらに、それらの材料はできるだけ環境に低負荷でつくられるべきだと考え、融液、溶液などの液相を利用した省資源の材料プロセス技術の開発も合わせて行っています。
これらの研究・開発に、数ナノメートルから数マイクロメートルのメゾスコピック領域と呼ばれるスケールでの物理・化学を積極的に応用することによって、画期的なエネルギー変換材料や材料プロセス技術の開発を目指しています。