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川内 紀代恵

太陽系以外の恒星の周りをまわる惑星(系外惑星といいます)は現在5000個以上発見されています。 その多くは太陽系には存在しない恒星近傍を周回する木星サイズのガス惑星(ホットジュピター)や地球より大きく海王星より小さい惑星(スーパーアース)です。 これらの惑星がどこでどのように形成され進化してきたのか、我々の地球のような生命が存在することができる惑星は他に存在するのかという疑問を明らかにしてくためには、 惑星大気構造や組成等のより詳細な情報を観測的に得ることが重要となります。 しかし、これまで発見された惑星のうち大気を詳細に観測することができるものは限られています。 よって、個々の天体における惑星大気構造の制約だけではなく統計的な理解を得るためには、 惑星大気が調査可能な太陽近傍に存在する惑星候補が本当に惑星かどうか地上望遠鏡を使って確認することも大切です。

我々は現在、世界各地に存在する望遠鏡を使って宇宙望遠鏡による全天調査によって発見された惑星候補をフォローアップ観測しつつ、 これらの惑星が現在どんな大気を持っているかをすばる望遠鏡の高分散分光装置で調査しています。 今後、惑星候補の同定に立命館60cm望遠鏡を運用できるよう整備していくと同時に、 惑星大気の構造や組成を引き続き観測することで、惑星の形成や進化を理解するための手がかりを発見できればと考えています。

更新日 : 2023.04.17