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吉田 晶樹

私の専門は、地球物理学的手法、特に数値シミュレーションによる地球ダイナミクスの解明で、大きなキーワードとしては「プレート」と「マントル」です。

地球の内部構造やダイナミクスを解明しようとするとき、数値シミュレーションは、陸上や海域での調査・観測、岩石試料の高圧実験や化学分析などに並ぶ重要な研究手法の一つです。また、これらの研究から得られるさまざまな地球科学データを最大活用して、過去や現在の地球の表層運動や対流運動を復元・再現しつつ定量的解析が行える唯一の手法です。とりわけ、地球46億年の進化に多大な影響を及ぼしてきたとされる地球の表層運動と対流運動との力学的・熱的相互作用の解明には、今後も数値シミュレーションが重要な役割を果たすと考えています。

なにより、数値シミュレーションは未来を予測するのに必要不可欠な手法です。私の研究の特徴として、比較的地球科学データが豊富な現在の地球を初期状態とした大規模三次元数値モデリングにより、近い未来から数億年後といったかなり遠い未来の地球を予測することにも力を入れています。

プレートやマントルを構成する岩石の流動則(レオロジー)をより厳密に数値モデルに組み込んだり、いまだ実態がよくわかっていない地球の内部構造をモデル化したりするためには、新しい数値計算手法の開発やモデルの複雑化のみならず、隣接分野の最新の科学的知見や仮説が必須です。そのため、地質学、岩石・鉱物学、地震学、地球化学などの分野の研究者とも共同研究を行っています。【個人ウェブページ

更新日 : 2024.04.17