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スピン物性分光

高分解能光電子分光装置
電子状態の分光によるスピン物性の機構解明

物質の性質は、ほとんどが物質中の電子の性質で決まっています。例えば、ガラスが透明なのは、ガラスの中の電子が光をほとんど吸収しないからです。電子は原子核の周りを回っていますが、自転もしていて、この自転のことを「スピン」と呼びます。鉄は同じ向きのスピンを持つ電子が多いために磁石になります。

ほかにも電子のスピンのために、温度を変えると金属が絶縁体に変わったり、実に様々な興味深い性質が現れるので、私たちはそのメカニズムを解明することを目的に研究しています。

物質中の電子の状態を直接的に知るために、紫外線やX線を物質に当てて、飛び出してきた電子のエネルギーを測定する「光電子分光(こうでんしぶんこう)」などの分光実験を、大学だけでなくSPring-8などの研究施設で行なっています。

今田 真(教授)
中田 惟奈(助教)

更新日 : 2024.04.23